
「MD(ミニディスク)対応機器の生産を3月までに終了する。そしてすでに携帯音楽プレーヤーの「MDウォークマン」の生産を2011年9月に終了していたが、システムステレオの出荷も停止する。」
ソニーは1月末に上記のような発表をした。MD世代(本当はカセットテープ世代)の私としてはなんとも残念で寂しいことである。が、しかし来たるべき時が来たという他はない。もちろん現在の音楽ファイルのウォークマンの良さを否定するわけでは全くない。ただテープからMDに変わったときのインパクトはすごかった。それまで出来なかった楽曲の並べ替え、消去、分離やラベル付けなどの不可能だった操作が、簡単に出来るようになったからだ。中でもソニーのMDはMDエディターなるソフトを使うことで、パソコンとMDをつなげて楽曲の名前を簡単に記録することが出来た(写真B)。MDはCDと比べて音質のレベルは低いが、より小型で録音も可能なため人気を集めた(ただ不思議なことに外国ではほとんど流行しなかった)。しかしそのうちhiMDなるものが現れて、CD並みのハイレゾ音楽がMDでも聴けるようになった。しかし、本格的なホームオーディオのプレーヤーとまではなり得なく、またポータブルとしても中途半端であった。そして時代はファイル音楽になっていった。
カセットテープはもはや持っていないが、自分で録音したMDはCDと同じぐらい数はある。ポータブルMDとしてシャープの製品(写真A)を最近まで使用していたが、かなり痛んだ状態になってしまっている。しかしまだ現役でちゃんと聴くことが出来る。こうしてせっかく集めた楽曲であるから、それらをMP3などのオーディオファイルに変換して、携帯やパソコンでも聴けるようにしたい。やり方としてはMDから音楽をパソコンの音楽ソフトで録音し、それをファイル化することができるが、時間がかかる面倒なことである。そこで極めて優れたやり方がある。それはMD機器とパソコンをつなぎ、MDの音楽ファイル(ATRC)をXアプリなどのソフトでパソコンに移し、それをWAVファイルなどを介してMP3などのウォークマン用の圧縮ファイルに変換する。ただ、それが出来る機器はソニーのhiMDポータブルのMZ-RH1のみである(写真C)。
2,3年前にMZ-RH1と、デッキ型のオンキューhiMDであるMD133を購入してあったが(写真D)、MD133はファイル変換の機能はない。壊れたときのためと思って、これらの機器についてオークションやアマゾンで調べてみたら、購入したときは各々3万円程度だったが、何とプレミアがついてしまっていた。MZ-RH1は10万円ぐらい、そしてMD133に至っては20万円近くになってしまっている。MDの最後の抵抗か。今もっているものを大事に使用するしかない。